数多くの模倣作を生んだ、弊社のデビュー作。

 3年以上も続いた大会、10本近いデータ集。メーカーとしては異例のサポートではなかったでしょうか。「R.C.」は5"2HDが生産不可能となり完売しましたが、ほとんど10年に渡って売れ続けたのです。本当に面白いものを創れば支持される。発売当時は当たり前だったプロテクトすら一切なし。ユーザーとして欲しいゲームを創るというElectric Sheepの原点がここにあります。

R.C. パッケージ  「R.C.」はユーザー自身が造った自分のロボットをディスプレイという仮想空間上に再現する新しいタイプのビデオゲームとして制作されました。

 かつて、ロボット同士をパーソナルコンピューター上で対決させるロボットバトルと呼ばれるゲームはいくつかありましたが、プログラムを作るにはコンピューター言語の知識が必要だったり、ただパラメータを設定するだけのものでしかなく、自分の思いどおりに動かして楽しむには程遠いものでした。また、ロボットを造るといっても、あらかじめ用意されたロボットの数値的な設定を変えるに過ぎませんでした。

R.C. ゲーム中画面 「R.C.」はこうした点を解決、新しいタイプのエンターテイメントとして創造されました。ロボットの頭脳であるプログラムはフローチャートタイプの視覚化されたもので、プログラミング経験をとわないものとなっています。わかりやすくいえば、よく雑誌等に掲載されている「あなたのタイプは」といったYES/NO方式の流れ図とほぼ同等のものです。状況をYES/NOなどで判断させ、ロボットの行動を決定させるのです。この方式を導入することにより、プログラミング経験がなければ何も理解できないといった問題を解決しました。

 また、ロボットの表示は多関節表示で、脚、胴体、腕などのパーツ別に処理されており、自由にパーツを組み合わせられるだけでなく、戦闘中に腕を失ったり、胴体が発火したりといった結果がすべてアニメーションによって表現されています。こうした多くの要素を視覚化することで、初めてシミュレーションゲームに触れるユーザーにも解かりやすいものにすることに成功しました。
タイトル
ロボットコンストラクションR.C.(アールシー)
価格
完売
メディア
5"2HD 1枚
対応OS
SHARP X68000/X68030シリーズ全機種 ハードディスク対応
データ集
ロボット集+α Vol.1〜9 完売
受賞
1993年度 Oh!X誌 ゲームデザイン賞
1993年度 ログイン誌 アイディア賞