■酒井 智巳の書籍 the books written by Tomomi Sakai

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トラブルの対処法

trouble shooting


はじめに

 現時点でのトラブルの対処法をまとめました。また何か分かり次第改定する予定です。正誤表もあわせてご覧ください。

 ICやトランジスタ、あるいは電池が熱くなる場合は、電源関係に異常がある可能性が非常に高いです。大きな音で聴き続けると熱くなる場合もありますが、通常の音量でそこまで行くとは考えにくく、特に電源投入後すぐに熱くなる場合は電源の配線・極性を調べてみてください。他には、出力がショート、若しくは近い状態が考えられます。

 すでに片チャンネルだけ音が出ているなら、電源は正常と考えていいでしょう。各部の電圧や配線を反対側と見比べれば原因は特定できるでしょう。また下の「その他の注意」に書かれている配線材特有の問題が原因である可能性も高いと思います。

 誤配線などの製作ミス以外で音声にノイズが乗る場合はグラウンドの接続の問題と考えられます。このページの下部の「ノイズが出る場合」をご覧ください。


原因の特定

 音が出ない場合、電源の要らないプリアンプを除き、電源かそうでないかを調べます。テスターで各部の電圧を計測しますが、ショートしないよう十分気をつけてください。測定場所によっては本体を一旦ケースから取り出す方が簡単です。

・パワーアンプの場合
 ACジャックのマイナス側にテスターの黒を接触させ、プラス側に赤を当て、約12Vかどうか確認します。異常があれば電源に問題があります。
 次にテスターの黒はそのままで、赤をICの3ピン、10ピン、11ピンに当て、それぞれ約12Vになっていることを確認します(ピン番号は98pなどを参考にしてください。1から順に13まで並んでいます)。また、2ピン、5ピン、8ピンが0Vであることを確認します。 3ピン、10ピンが異常なら、そのピンのコンデンサの取り付けや電源との配線を確認します。11ピンが異常の場合、ミュート回路の配線を確認します。2ピン、5ピン、8ピンが0Vでない場合、そのピンからグラウンドの配線を確認します。また、ICの足は曲がりやすいのでケース取り付け時などに曲げてショートさせないように気を付けてください。
 上記がすべて正常で音が出ない場合、RCAジャックとICの間の配線を確認します。2ピンがそれぞれのRCAの外側と導通があるかでグラウンドの配線が確認できます。1ピンと13ピンはコンデンサがあるのでテスターでは導通は分かりません。目視で確認してください。

・パワーアンプの電源
 交流100Vがトランスで交流の12V以上(実効値)になっていなければそこに問題があります。
 ブリッジダイオード以降で直流が計測できなければブリッジに問題があります。コンデンサとつながっているので直流約17Vになります(トランスにより多少違う)。
 3端子レギュレータの出力以降は12Vになります。デジタルテスターで計測すれば小数点以下一桁程度の精度までは12Vになるはずです。例えば、12.02Vなどと表示されます。
 IC以前が正常なのに出力が0Vに近い場合は、出力以降がどこかがショートしていてICの保護回路が働いていると思われます。
 制作上の注意として、3端子レギュレータのすぐ近くに積層セラミックを実装しないとICが発振する場合がありますので、出来るだけ近くに配置してください。

・プリアンプ
 電源の要らないプリアンプは純粋に配線だけの問題です。本の通りになっているか「1本ずつすべて」確認してください。テスターの導通検査モード(接触すると電子音が鳴る)が便利でしょう。

 アクティブの場合、オペアンプを取り外し、テスターで電圧を確認します。159pの図のオペアンプの下に3つ並んでいる抵抗の真中の下側の足にテスターの黒を当て、Power-と書いてある抵抗の足に赤を当てると、約-6Vになります。Power+を同様に調べると、約+6Vになります(電源は抵抗の分圧のみなのである程度の誤差が出ますが、問題ありません)。ここまでで異常があれば、電源との配線を調べてください。
 次に、黒は同じ場所のままで赤をICソケットの4ピン(図の左上)に当てると、約-6Vになります。8ピン(右下)に当てると約+6Vになります。すべて正常なら、電源は正常と考えて良いでしょう。その場合、RCAジャックから本体への配線や、基板の入力周りを調べます。

・ヘッドフォンアンプ
 まずオペアンプを取り外し、テスターで電圧を確認します。124pで取り付けた電源分圧用の抵抗の中央(縦に2本付いているものの内側の足ならどちらの抵抗でも可)にテスターの黒を当てて基準とします。上の抵抗の上側の足は約+9V(電源は抵抗の分圧のみなので誤差がかなり出ますが、正常です)、下の抵抗の下側の足は約-9Vになるはずです。そうならない場合、電源の配線が間違っています。

次にICソケットのピンの電圧を測ります。
・4番ピン(124pの図で言うと右下)は約 -9V、
・8番ピン(同、左上)は約 +9V
になるはずです。異常があるなら電源からICソケットの間の配線を調べてください。さらに他のピンを調べると、テスターによって違いますが、恐らく±1V以内程度の電圧が表示されるでしょう。もし問題があれば、そこを中心に見直してください。この通りの場合はオペアンプへの配線はあっていると考えられます。
 特定のトランジスタが熱い場合、その付近を見直してください。同じならばすべて確認するしかありません。


主な原因

 今までに見受けられたトラブルの原因のほとんどは、

  1位 部品の向きが逆
  2位 配線の間違い
  3位 ハンダがしっかりとくっついていない

です。分かってしまえば「何だこんなことか」と思うほどのミスですが、人間には「思い込み」があるので発見しづらいのだと思います。極性や配線を間違える原因は何かを間違って理解したためで、頭をリセットする必要があります。時間を置いて確認するといい結果が得られるかもしれません。


ノイズが出る場合

 ・金属のケースに組み込む際はどこか1点でケースとグラウンドが接触している必要があります。2点にならないように気を付けてください。無難なのはRCAジャックの右か左のどちらか片方のグラウンドをケースに接触させることです。
 ・ボリュームの外側に金属が使われている場合、そこもグラウンドに接続しないとノイズが乗ることがあります。
 ・考え方としては、アンプのケース内にある全ての金属部分はどこか1点でグラウンドに接触している必要があります。


その他の注意

 LANケーブルを使用した場合、ハンダの熱が被覆に回り捩ってある見えない部分が接触している場合があります。
 UEWを使用した場合、被覆が溶けきっておらず、電気的に接触していない場合があります。
 どちらも比較的起き易いトラブルなので気をつけてください。LANケーブルは短時間のハンダ付け、逆にUEWはしっかり被覆を溶かすことが必要です。
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This file was updated on Thursday, 16-Jul-2009 22:21:27 JST.